「いつかはやらなきゃ」と思いながらも、つい後回しにしてしまう——それが実家仕舞い。
50代に差しかかると、親の老いや相続の話が現実味を帯びてきます。
けれど、いざ動こうとすると「何から始める?」「お金はどれくらい?」「兄弟と揉めたら…」と、不安は尽きません。
本記事では、そんな悩みに応えるために
“制度の期限”と“感情の整理”を両立させた「最短ルート」を紹介します。
実家をどうするか。
それは、これからの自分の暮らし方にもつながる問いです。
ひとつずつ整理して、納得のいく選択を見つけていきましょう。
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- 50代からの実家仕舞いで最初に知っておくべきこと!手続きとリスク回避の基本
- 50代に必要な実家仕舞いのステップ|片付け・判断・行動の順番を完全ガイド
- 50代が実家を片付けるときの判断基準|自力?業者?費用の目安も紹介
- 50代で迷う実家の行く末|売る・残す・解体の損得ラインを見極める
- よくある質問とその答え|実家仕舞いのQ&A5選
- まとめ|実家仕舞いは“気持ち”と“制度”の両輪で進める
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- 50代から始める実家仕舞い!費用・相続・解体まで失敗しない進め方とは?
50代からの実家仕舞いで最初に知っておくべきこと!手続きとリスク回避の基本
実家仕舞いを始めるとき、最初にぶつかるのは「何から始めるべきか分からない」という戸惑いです。
特に50代は仕事や家庭で忙しく、判断を後回しにしがちですが、実家に関する手続きには期限があるものも多く、放置すると費用や税負担のリスクが増します。
この章では、まず最初に押さえるべき「法律と制度」について、優先順位の高いポイントを分かりやすく整理していきます。
相続登記・放棄の期限と義務を知っておく
まず最優先でチェックしたいのが、「相続登記の義務化」です。
2024年4月から、不動産の所有権を相続した場合は3年以内に登記が必要となりました。
違反すると10万円以下の過料が科される可能性があるため、避けては通れません。
相続放棄についても注意が必要で、相続開始を知った時点から3か月以内(熟慮期間)に家庭裁判所へ申述しなければなりません。
放棄したい場合でも「何もしない」ままで放っておくと、自動的に相続したことになってしまいます。

「登記とか放棄って、自分にはまだ関係ないかな…」
…そう思っていると手遅れに。制度には“期限”があるんです。
期限内に手続きができるよう、以下のようなスケジュール感を意識しておきましょう。
| 手続き項目 | 起点となるタイミング | 期限または推奨時期 |
|---|---|---|
| 相続登記 | 相続を知った日 | 3年以内(法務省) |
| 相続放棄 | 相続開始を知った日 | 3か月以内(家庭裁判所) |
| 遺言の検認 | 遺言書の発見 | できるだけ早く(検認必須) |
こうした期限付きの手続きは、放置するほど面倒になります。
まずは「いつ何をすべきか」だけでも書き出してみると、動きやすくなりますよ。
📌まとめ
相続登記は3年以内、相続放棄は3か月以内に対応が必須。
「あとでやる」は通用しないので、まずは期限の確認とメモから始めよう。
遺言書の検認や法的ルールの確認方法とは?
実家仕舞いを進めるうえで、もう一つ避けて通れないのが「遺言書の取り扱い」です。
遺言書には種類があり、それぞれ検認が必要かどうかが異なるため、内容をきちんと確認することが大切です。
結論から言うと、以下のとおりです。
- 公正証書遺言、法務局保管の自筆証書遺言 → 検認不要
- それ以外の自筆証書遺言 → 家庭裁判所で検認が必要
検認とは、遺言書の内容が有効かを家庭裁判所が確認する手続きのこと。
これを行わずに不動産の名義変更などを進めることはできません。
必要な場合は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きを行います。

「親の遺言書、たぶん自筆だった気がする…」
そんなときは、まず保管方法と書式を確認してみましょう。
ポイントは、「どの形式の遺言書なのか」+「誰が保管しているか」です。
相続人が開封してしまう前に、封がされたままの状態で裁判所に持参しましょう。
勝手に開けてしまうと、トラブルや無効のリスクが高まります。
| 遺言書の種類 | 検認の有無 | 保管場所の一例 |
|---|---|---|
| 公正証書遺言 | 不要 | 公証役場(写し) |
| 自筆証書遺言(法務局保管) | 不要 | 法務局 |
| 自筆証書遺言(家庭で保管) | 必要 | 自宅・金庫など |
制度を正しく知ることで、「無駄な手間」や「親族間のもめごと」を避けられます。
遺言書はデリケートな話題ですが、正しい手順で処理すれば、スムーズに進められますよ。
📌まとめ
自筆の遺言書は検認が必要なことが多い。
形式や保管方法を確認し、判断に迷ったら家庭裁判所に相談しよう。
放置リスクと固定資産税の増加に要注意
実家を長期間放置していると、思わぬ形で固定資産税の負担が増えるケースがあります。
これは「住宅用地特例」という制度が関係しており、一定の条件を満たさないと適用されなくなるからです。
通常、住宅が建っている土地には固定資産税が大きく軽減される仕組みがあります。
たとえば、200㎡以下の部分には課税標準が1/6に、超える部分でも1/3になるという内容です。
しかし、空き家が「管理不全」または「特定空家」に認定されると、この特例が解除されてしまうのです。

「実家は誰も住んでないけど、壊すのももったいなくて…」
放っておくだけで、実は税金が6倍になるリスクがあるんです。
2023年の改正空家法では、「管理不全空家」という新しい区分が追加されました。
これは「まだ崩壊はしてないけど、放っておくと危険になる家」のこと。
指導や勧告が入ると、特例が外れ、固定資産税が数十万円単位で跳ね上がることもあります。
| 状態 | 対応内容 | 税制上の影響 |
|---|---|---|
| 通常の住宅 | 居住または適切に管理されている | 特例適用:1/6~1/3に軽減 |
| 管理不全空家 | 雨漏り・雑草・破損など、放置の兆候あり | 勧告により特例外れる可能性あり |
| 特定空家 | 倒壊や衛生リスクなど、明確な危険がある状態 | 確実に特例解除 → 税額アップ確定 |
このような税負担を避けるためには、定期的な除草や通風、近隣との関係維持が必要です。
また、すでに空き家状態になっている場合は、早めに方針を決めるのが得策です。
📌まとめ
実家を放置していると「住宅用地特例」が外れて固定資産税が一気に増えることも。
管理状態を保ち、放置リスクを回避しよう。
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50代に必要な実家仕舞いのステップ|片付け・判断・行動の順番を完全ガイド
法律や制度を理解したあとは、いよいよ実家仕舞いの実行フェーズです。
でもいきなり片付けを始めるのは、実は逆効果。
大切なのは、「家族の合意」「現状の把握」「今後の方針」の3つを順番に進めることです。
この章では、気持ちの整理と手続きの効率を両立するための6つのステップを紹介します。
家族で合意を取るための準備と話し合い方
実家仕舞いは、1人で抱え込まず“チーム戦”で進めるのが成功のカギです。
その第一歩が、家族との話し合いによる「目的と役割の共有」。
最初に話し合うべきポイントは、以下の3つです。
- 実家を売る/貸す/残す/一時保管のどれにするか
- それぞれの役割分担(例:書類係・現地係・お金係・連絡係)
- 連絡方法と決定ルール(例:LINEグループ+議事録)

「うちの兄妹、バラバラで連絡も取りづらくて…」
そんなときこそ、“ルール先決め”が揉め防止になりますよ!
たとえば、重要な決定はLINEで共有後、書面で全員確認するスタイルを取ると安心です。
議事録も、「共有ドキュメント+要約メモ」があると後で揉めません。
| 話し合いの要点 | 具体例 |
|---|---|
| 目的共有 | 売却するのか、残すのか、決める |
| 役割分担 | 書類係/現地係/金銭管理/連絡係など |
| 連絡・決定ルール | LINE+議事録+重要事項は書面確認 |
「なんとなく動き始める」のではなく、目的とルールを“見える化”してからスタートすることで、後半の工程が一気にスムーズになります。
感情ではなく、「作業」として冷静に分担できる空気づくりがポイントです。
📌まとめ
実家仕舞いは最初の家族合意がカギ。
“書面で確認”という一手間が、トラブルの芽を摘み取ってくれる。
家と物の現状を見える化するチェックポイント
実家仕舞いで意外と見落としがちなのが、「家の中に何がどれだけあるかを把握すること」。
感覚だけで進めると、あとから「これどうする?」「まだあったの?」とバタつく原因になります。
そこで有効なのが、部屋ごとに“写真”と“リスト”で物量を見える化する方法です。

「一度行ったのに、全然覚えてない…」
写真を撮っておくだけで、あとで何度も見直せて助かりますよ。
まずは大物家具や家電の把握から始めましょう。
次に、リサイクル法など法律対応が必要な物も洗い出します。
たとえば以下のようなものです。
| 分類 | 対象品目 | 処分方法 |
|---|---|---|
| 家電リサイクル法対象 | エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機 | リサイクル券購入+指定引取所へ運搬 |
| 小型家電リサイクル法対象 | 携帯電話、デジカメ、電子辞書など | 自治体の回収ボックスまたは指定業者 |
| 粗大ごみ | ベッド、棚、カーペットなど | 自治体粗大ごみ受付(要予約) |
写真を撮るときは、部屋ごと・棚ごとに1枚ずつ撮影して、あとから「ここに何があったか」を確認できるようにしておきましょう。
スマホで動画を撮っておくのもおすすめです。
「写真を撮る → リストを書く → 要注意品をピックアップ」
この流れだけで、次のステップ(判断・片付け)に大きく差が出ますよ。
📌まとめ
実家仕舞いの“現状把握”は、写真+リストが鉄板。
リサイクル法対象品にも注意して、処分にかかる手間を先に知っておこう。

方針の分岐:売る?貸す?残す?解体?
家の状態と物量が見えたら、いよいよ「この家をどうするか?」の判断フェーズです。
実家の今後を決めるには、感情と現実のバランスを取りながら、いくつかの選択肢を検討する必要があります。

「売るのは寂しいけど、維持も大変だし…」
その気持ち、よく分かります。でも“決めない”ことで損が増えるケースもあるんです。
判断の軸になるのは主に以下の4つです。
| 方針 | 検討ポイント | 注意点・条件 |
|---|---|---|
| 売る | 相続空き家控除(最大3,000万円)/地価の状況/解体・耐震の有無 | 2027年末までの譲渡・特定条件クリアで節税可能 |
| 貸す | 安全性(耐震・雨漏り)/賃貸管理の体制 | 修繕費・空室リスク・収支バランスに注意 |
| 残す | 家族が使う予定/定期的な管理が可能か | 税負担・維持コストが毎年発生 |
| 解体 | 築年数/補助金の有無/近隣配慮 | 更地にすると固定資産税の優遇が外れることがある |
たとえば「売却」を選ぶなら、“相続空き家控除”という大きな節税メリットがあります。
ただし、期限(2027年12月31日まで)や条件(耐震改修や解体)を満たす必要があります。
「貸す」「残す」は感情面では残しやすい選択ですが、定期的な管理が必要ですし、場合によっては空き家認定リスクも残ります。
「解体」は潔い選択ですが、費用が高く、税負担が逆に上がることもあるので、必ず見積もりや自治体の補助制度を確認しておきましょう。
感情に寄りすぎず、でも無理に割り切らず。
「自分たちが何を大事にしたいのか」+「現実的に可能な選択肢はどれか」
この両軸で考えると、後悔しない選択ができますよ。
📌まとめ
実家の今後は「売る・貸す・残す・壊す」の4択が基本。
それぞれのメリット・デメリットを一覧にして、家族で冷静に判断しよう。
心の整理と片付けのハイブリッド手順とは
実家仕舞いが進んでくると、物理的な片付け以上に大変なのが、「気持ちの整理」です。
親との思い出や、昔の品々を目の前にすると、手が止まってしまうのはよくあること。
そこでおすすめなのが、“心理”と“効率”を両立させる片付けの順番です。
まずは、判断が簡単でかさばるものから着手します。
📌 片付けのおすすめ順序
- 壊れた家電・家具(処分ルートが決まっている)
- 動線の確保(歩けるスペースを先に作る)
- 情報価値のある“紙類”(通帳、保険、登記書類など)
- 思い出品の選抜(ルールを決めて絞る)

「アルバムが出てきたら、もう手が止まって…」
そんなときは“3冊まで”などのマイルールを先に決めておくと、迷いにくくなります。
特に紙類は、以下のジャンルを優先的に探しましょう。
- 登記事項証明書・権利証
- 通帳・保険証券・年金通知書
- 税金関連通知・契約書
- 戸籍・遺言書
- 写真・アルバム
そして“思い出の品”は、「一人1箱ルール」や「写真に撮って残す」など、心の負担を減らす工夫が大切です。
仏壇や神棚は、対応をしてくれる寺社や業者に相談するのが安心です。
| 分類 | 処理方法・対応ルート |
|---|---|
| 法対応の家電 | 家電リサイクル法・小型家電回収 |
| 危険物・薬品 | 専門処理または自治体回収 |
| 衣類・食器 | 寄付・リユース・粗大ごみ |
| 思い出品 | 撮影→厳選→“ありがとう儀式”で気持ちに区切りを |
気持ちを押し殺さずに、「捨てる」ではなく「選ぶ」という意識で進めると、
実家仕舞いは単なる作業ではなく、人生の一区切りとして意味ある時間になります。
📌まとめ
片付けは「大きい・要らない」から始めて、思い出品はルールを決めて選ぶ。
心の整理も大切なプロセスだから、ムリせず一歩ずつ進めよう。
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50代が実家を片付けるときの判断基準|自力?業者?費用の目安も紹介
「実家仕舞いって、プロに頼むべき?それとも自分たちでできる?」
…この問いに明確な正解はありません。
でも、判断をラクにする基準や、業者利用時の相場を知っておくことで、自分に合った進め方が見えてきます。
この章では、自力か業者かを決めるポイントと、費用の目安や補助制度について解説していきます。
実家片付けの相場はいくらかかる?
まずは、遺品整理・不用品回収業者を使った場合の費用相場を確認しておきましょう。
料金は部屋数・物量・立地・作業時間によって大きく変わりますが、下記が一般的な目安です。
| 間取り | 費用相場(目安) |
|---|---|
| 1K〜1LDK | 約4〜15万円 |
| 2K〜2LDK | 約9〜30万円 |
| 3K〜3LDK | 約15〜50万円 |
| 4LDK以上 | 約20〜70万円以上 |

「えっ…想像以上に高いかも?」
そう思ったら、まず“どこまでプロに任せたいか”を考えてみてください。
たとえば、「仕分けだけ自分たちでやって、搬出・処分だけ業者に依頼する」といった部分委託も可能です。
また、階段作業やエレベーターの有無でも費用が変動するので、現地見積もりは必須です。
地域によっては、家財整理に対する補助金制度があることも。
たとえば、東京都の一部自治体では上限10万円、費用の半額補助といった助成例があります。
事前に市区町村のHPでチェックしてみると、想像以上に使える制度が見つかるかもしれません。
📌まとめ
片付け費用は間取りと物量で大きく変動。
補助金の有無や部分委託も含めて、柔軟に考えよう。
解体費用の相場と補助金の有無を知っておこう
実家を「解体する」という選択肢を考えるとき、気になるのがその費用と補助制度ですよね。
実際の解体費用は、建物の構造や立地、残置物の量によって変動しますが、一般的な相場は以下のとおりです。
| 建物構造 | 坪単価の目安 | 30坪の場合の概算費用 |
|---|---|---|
| 木造 | 3〜5万円/坪 | 約90〜150万円 |
| 鉄骨造 | 5〜8万円/坪 | 約150〜240万円 |
| RC造 | 8〜15万円/坪 | 約240〜450万円 |

「木造でも100万円超えるのか…」
そうなんです。意外と“壊すだけ”でもお金がかかるんです。
加えて、次のような条件があると費用がさらに高くなる可能性も。
- アスベストの有無(事前調査・処理費用)
- トラックが入れない道幅(搬出作業が複雑)
- 家具や家電などの残置物が多い
- 地下や擁壁がある土地構造
でもご安心を。
多くの自治体では、解体費用に対する補助制度を設けています。
たとえば、
- 東京都の一部市区町村 → 上限10万円+家財整理費補助あり
- 地方都市 → 上限50〜100万円級の解体補助も(条件次第)
これらは「空き家対策補助金」「老朽住宅除却補助金」などの名目で出ていることが多く、条件が合えばかなりの負担軽減になります。
補助金を受けるためには、
- 事前申請が必要(解体後では遅い)
- 指定業者の利用・条件付きの報告書提出が必要
などのルールがありますので、必ず自治体サイトでチェック or 問い合わせを!
📌まとめ
解体費用は建物構造で大きく差がつくが、補助制度の活用で出費を抑えられる。
「申請は解体前」が鉄則なので、早めに自治体に確認を。
自力でできるケース・業者に頼るべきケース
実家仕舞いは、「なんとか自分たちでやれそう」と思う反面、
やってみると「これはムリだった…」と途中でヘルプが必要になることもあります。
そこで、自力でできるケースと業者を使うべきケースの見極めポイントを紹介します。
🔹自力向きのケース
- 実家が近所にある(何度も通える)
- 作業できる家族・親族が数人いる
- 残置物が少ない or 仕分け済み
- 法対応が必要な家電などがあまりない
- 作業にまとまった時間が取れる
→ こうした条件がそろっていれば、コストを抑えて丁寧に片付けられる可能性大です。
🔸業者向きのケース
- 実家が遠方で頻繁に行けない
- 仕事や介護で時間がとれない
- 実家がゴミ屋敷化している/物が多すぎる
- 片付けや仕分けの期限が迫っている
- 兄弟間で作業分担がうまくできない/揉めている
→ この場合、プロに任せることで精神的・体力的な負担が大幅に軽減されます。

「うちは遠方だし、片付けに休みを取るのも厳しい…」
そんなときは、まず“見積りだけでも”取って判断材料にするのがベストです。
業者に頼む=全部丸投げ、ではありません。
部分的に任せることもできるので、「何を頼むか」を自分でコントロールする感覚が大事です。
また、片付け・解体業者はピンキリなので、最低でも3社は見積もりを取るのが基本です。
金額だけでなく、対応の丁寧さ・日程調整の柔軟さ・保険加入の有無などもチェックしましょう。
📌まとめ
自力 or 業者の判断は「距離・人手・物量・時間」がカギ。
無理せず、“頼る勇気”も選択肢に入れてOK!
50代で迷う実家の行く末|売る・残す・解体の損得ラインを見極める
実家仕舞いを進める中で、「この家、どうするのが一番いいんだろう…?」という悩みは避けて通れません。
感情だけで残すと負担に、損得だけで売ると後悔に――。
この章では、「売却・解体・保有」それぞれの選択肢におけるお金・手間・制度の違いを整理しながら、損得の“分かれ道”を見ていきます。
売却時に使える相続空き家控除とは
実家を売却する場合に知っておくべき節税制度が、「相続空き家の3,000万円特別控除」です。
これは、相続した空き家を譲渡する際に最大3,000万円までの譲渡所得が非課税になる制度。
以下の条件をすべて満たすと適用されます。
| 適用条件チェックリスト(2024年以降) |
|---|
| 被相続人が一人暮らしだった自宅であること |
| 昭和56年5月31日以前の建築(旧耐震基準) |
| 売却前に解体 or 耐震改修をしていること |
| 譲渡が2027年12月31日までに完了すること |
| 相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円 |

「期限が2027年末までって意外とすぐじゃない?」
そうなんです。しかも耐震改修や解体が間に合えば、売却後でも適用されるケースもあります!
この控除を使えるかどうかで、納税額が数百万円単位で変わることもあるため、
売却を検討するなら、まずこの条件を一つずつ照らし合わせて確認してみてください。
📌まとめ
相続空き家控除は「売却+要件クリア」で最大3,000万円控除。
条件と期限を確認し、使えるかどうかは必ずチェックしよう。
解体のメリット・デメリット|税金・補助金・将来活用を踏まえて考える
「もう住まない家だし、いっそ更地にしてしまおうか」
そんなふうに思うこともあると思いますが、解体=スッキリ、とは限りません。
ここでは、解体を選ぶ場合の損得や注意点を整理しておきましょう。
【解体のメリット】
- 建物の管理が不要になる
- 売却しやすくなる(更地のほうが買い手がつきやすいことも)
- 地盤や境界線を確認しやすくなる
- 地域によっては、解体費の補助金が出る
【解体のデメリット】
- 固定資産税が高くなる(住宅用地特例が使えなくなる)
- 解体費が高額になることも(30坪木造で90〜150万円〜)
- アスベスト・残置物の有無で費用が変動
- 更地にしたあと、使い道が未定だと“持て余す”リスクあり

「ウチは売るか貸すか決まってないけど、家は古いし…」
そんな時は、耐震改修をしてから売る/解体せず現状有姿で売るという選択肢もありです。
また、東京都などでは、解体費や家財整理に補助金(1/2・上限10万円など)を出す自治体もあります。
ただし要件が自治体ごとに異なるため、必ず市区町村の公式サイトで確認を。
| 解体費の相場(構造別・坪単価) |
|---|
| 木造:3〜5万円/坪 |
| 鉄骨造:5〜8万円/坪 |
| RC造(鉄筋コンクリート):8〜15万円/坪 |
📌まとめ
解体には「固定資産税の増加」「高額費用」「補助金の有無」など多くの変数が。
解体ありきではなく、“解体後の計画”が決まっているかが判断軸。
残す=保有する選択の現実|管理コストとリスクを知る
「思い出があるし、売ったり壊したりはまだ早い気がする」
そんなふうに“残す”選択をする方も少なくありません。
ただし、保有=維持管理コストとリスクを背負うことも忘れてはいけません。
【保有のコスト】
- 固定資産税(住宅用地特例あり=軽減措置、外れると数倍に)
- 管理コスト(除草、通風、雨漏りチェック、郵便管理など)
- 遠方の場合は交通費や手間もかかる
- 将来的に「管理不全空家」「特定空家」認定リスクも

「ウチは当面置いとくつもり。でも何かされたら困るし…」
管理がされていないと、勧告を受けて住宅用地特例が外れる=税額爆増もあり得ます。
月1回の点検+作業代行の外部委託も検討に入れておくのがベターです。
【保有時にやるべき管理チェックリスト】
- 郵便物の転送手続き
- 水道・電気・ガスの停止or通電維持
- ポスト管理(チラシで不在を悟られないように)
- 除草・植木の剪定・落ち葉掃除
- 通風・湿気対策(窓開けなど)
- 雨漏り・破損箇所のチェック
- 近隣へのあいさつ or 連絡先掲示
📌まとめ
残す=リスクゼロではなく、“税負担・管理手間・近隣対応”がセット。
維持するなら「定期的な管理体制の確保」が最重要。
家族会議で揉めないコツ|話し合い台本と共有ルールのつくり方
実家仕舞いで最も厄介なのは、実は「物」より「人」。
特に兄弟姉妹との価値観のズレや“言った言わない”が、後々の亀裂に繋がりがちです。
ここでは、家族で揉めずに進める方法=ミニ台本+ルール作りを紹介します。
【話し合いのミニ台本(そのまま使える)】
冒頭:「目的は“家と気持ちの片付け”。お金・時間・思い出、全部を見える化して決めたい」
合意:「決定はメモ→全員OKで確定。費用は家計簿アプリで共有」
感情:「迷う物は“保留箱”へ。1か月後に再判定」
公平:「作業時間≒お金でバランス調整。遠方は費用多め負担、近居は作業多め」
最終:「売却益や負担はエクセルで式化(誰でも検証可能)」

「言いづらいことも台本があれば言えるかも」
家族だからこそ、形式に頼った方がうまくいくことも多いです。
【共有ルールの工夫例】
- LINEグループ作成+議事録を必ず残す
- 重要な決定は書面 or PDFで全員確認
- 作業・費用はGoogleスプレッドシートなどで可視化
- 「保留ボックス」などで“迷いの逃げ道”を設ける
- タスクは“誰がいつまでに何を”を明記
📌まとめ
実家仕舞いの家族会議に必要なのは“気まずさ”を減らす道具。
書面化とテンプレート活用が最大の予防策。
制度と法律のアップデート|今やらないと損する“期限とルール”
実家仕舞いを「なんとなく」で始めると、
知らぬ間に税金が跳ね上がったり、相続で違反状態になったりというケースもあります。
ここでは、2024年以降で見逃せない法律と制度のポイントをまとめます。
✅ 相続登記の義務化(2024年4月〜)
- 相続を知ってから3年以内に登記が必要(義務)
- 放置すると10万円以下の過料の可能性あり
(出典:法務省)
✅ 相続放棄の期限
- 相続開始を知ってから3か月以内(熟慮期間)
- 特殊事情があれば期間延長も可
- 放棄は家庭裁判所(故人の住所地)で申述(出典:最高裁判所)
✅ 遺言の検認ルール
- 公正証書遺言/法務局保管の自筆遺言 → 検認不要
- それ以外 → 家庭裁判所で検認が必要
✅ 固定資産税の“住宅用地特例”とその解除
- 住宅がある土地は固定資産税が軽減(最大1/6)
- しかし「管理不全空家」や「特定空家」に勧告が出ると解除=税額大幅UP
(出典:国土交通省)
✅ 空き家売却の“3,000万円特別控除”
- 被相続人居住用の空き家を一定要件で売却 → 譲渡益から3,000万円控除
- 適用期限:2027年12月31日まで(相続人3人以上なら2,000万円)
- 解体または耐震改修を売却後にしても、翌年2/15までならOK(2024年〜適用)
(出典:国税庁)
✅ 家電・小型家電リサイクル法
- テレビ/冷蔵庫/エアコンなどは自治体では処分不可→家電リサイクル券+回収依頼
- 携帯や小型家電は、自治体の回収BOXや指定業者へ
(出典:RKC/政府広報)
📌まとめ
制度は静かに変わる。けれど放置すると「損」や「違反」に直結。
今のルールを“知っておくこと”が最大の節約と安心。
よくある質問とその答え|実家仕舞いのQ&A5選
Q: 実家仕舞いは何から始めればいいの?
A: まずは「相続関係の確認と期限メモ」がスタート地点です。遺言の有無、相続人の確定、登記や放棄の期限(3年・3か月)を把握し、その後に家とモノの“現状把握”を進めます。
Q: 実家が空き家になったままだけど放置しても大丈夫?
A: 放置はリスク大です。住宅用地特例が外れて固定資産税が6倍になる可能性や、「管理不全空家」に指定されると行政指導や勧告が入ります。定期的な管理・通風・草刈りは最低限必要です。
Q: 遺品整理と実家仕舞いって何が違うの?
A: 遺品整理は“モノの片付け”中心ですが、実家仕舞いは「権利・税・活用方針」まで含む広範なプロセスです。登記や売却、解体など、行政・法律の手続きも視野に入れる必要があります。
Q: 解体や片付けの費用っていくらかかるの?
A: 片付けは10万〜50万円台、解体は木造30坪で90〜150万円が目安です。構造や地域によっても大きく差が出るため、複数社からの見積取得がおすすめです。
Q: 家族で揉めないためにはどうすればいい?
A: 目的と費用を“見える化”することが鍵です。LINEグループや共有台帳を使い、決定事項は書面化。お金・作業・思い出に関する迷いは「一旦保留→後日再判断」など逃げ道を設けましょう。
まとめ|実家仕舞いは“気持ち”と“制度”の両輪で進める
今回の記事では、「50代からの実家仕舞い」について以下のような要点を解説してきました。
- 相続登記は2024年から義務化|3年以内に手続きを
- 実家仕舞いは6ステップ|「現状把握→方針決定→実行」
- 費用は**片付け10〜50万円/解体90〜150万円〜**が目安
- 兄弟間のトラブル回避には“台本化”と書面化
- 税制・補助金は使わないと損|制度の期限を確認
これから実家仕舞いを始める方は、まず「登記や相続放棄の期限を確認」し、「家族での合意形成」から着手するのが最短ルートです。
不安や迷いがあるのは当然。
でも、知っておけば避けられる“落とし穴”も多いものです。
焦らず、でも遅れずに。
「家」と「気持ち」の整理を、あなたのペースで進めていきましょう。





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